古代メソポタミアの空 Part 5 うお座
研究本から。
うお座の原型としては、「尾」とよばれる2匹の魚を表現したものが考えられます。
↑↑↑ 図には2本の縄で結ばれた2匹の魚で表されていますが、この2本の縄は、メソポタミアの語源でもある両河(チグリス川とユーフラテス川)であるといわれています。
2本の縄が一つに合わさっているのは、この両河が下流で合流して、海へと注いでいる両河がシャトル・アル=アラブ川を表しています。
両河の流れを表現した縄の先端に2匹の魚が描かれていますが、それらの魚の間には長方形の大きな空間が存在しています。
この四辺形は、バビロン市を表現したものであるとか、広大な耕作地を表しているといわれます。この四辺形がペガススの大四辺形であると考えられます。
秋の大四辺形を間に挟んでいることを考えると、うお座は意外にも大きな星座だと改めて気づかされます。
2匹の魚のの中で、向かって左側のものは Anunitum (アヌニツム、北魚)とよばれています。これは疑いなく「みなみのうお」に対して命名された名前です。
この北魚を表すアヌニツムも『ムル・アピン』粘土板文書のアヌの道36番の Anunitu (アヌニツ)に相当するものです。
一方、右側の魚は、しばしば、魚ではなく、ツバメとして描かれます。そのため、2匹の魚が縄でつながれるのではなく、ツバメと魚がつながれている図像が登場しています。
おわり。